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霞草
第7章 すれ違い
完成までに2週間かかるので、宿に配送をお願いした。

「送り先はご一緒で?」

僕は5月いっぱいは、宿にいようと決めていたので、

「はい」

と答えて、霞に送り状の記入を頼んだ。

彼女が嬉しそうに記入するのを見ながら、いつまでもいることは出来ないとも考えていた。

陶芸は意外に時間がかかりちょうど昼飯時になっていた。

ランチはこの前の店に行くことにしてあった。
オムライスとパスタを注文し二人でとりわけながら食べる。

些細なことだが、自分たちも周りのカップルの仲間入りをしたようで楽しかった。
会計時に霞がクラスの娘がカップルで来ていることに気付いて、耳打ちする。

「僕達もカップルだけど、困る?」

と尋ねると、

顔を真っ赤に染めた彼女が俯いて、

「大丈夫」

と小声で答えるのが可愛かった。

店を出て

「同級生?お化粧して大人っぽく見えるよね。」

デジャブーを感じながら、僕は深い意味もなく言葉にした。

彼女は何も言わなかったし僕は彼女に化粧して欲しいと思ったわけでもない。

逆に、表面だけでも大人になろうとする化粧に違和感を覚えて口にした一言だが。
霞が何も言わないのは、僕が感じていることを理解してくれていると思い、あえてそれ以上は言葉にしなかった。
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