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霞草
第8章 別離

翌日は、「展望台」
山から街を見渡せる場所に行く。


野原もたくさんの花で囲まれる。手入れしない自然のままの美しさ、名も知らぬ小さな花、朱色、黄色、藍色、紫色、山の花は独特の色合いだ。


花屋にある絵の具で塗ったような花とは違い、日の光で様々な表情を見せる。


ここも、冬の終わり、芽吹く時を知っている。

物寂しい野原が花で溢れると言われて、この美しさが想像できただろうか。


今まで、気にとめなかった自然の美しさ、強さを知ることができた。


たくさんの思いを噛みしめる。


親に反発すること、自分を卑下すること、負の考えしかなかった僕。

具体的な将来までは探せなかったが、人の為に働く、支えながら生きている。

人間として基本的な重要なことを学んだ。


親の言われたまま予備校に入ったら、親が二流とする大学に合格していたら、気付かずにいたのだろう。



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