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忘れられない人
第14章 episode13

イックう
私の中に熱い液体が流れてきた

一緒にイッた

私は、意識を手放した
私の髪を撫でて、遠くから声がした

忘れたいなんて、言うなよ
俺は詩織を忘れられないよ。。。
中毒みたいに欲しいのは詩織だけなのに
泣かせてばかりで、ごめんっ

愛がなくても、セックスは気持ちがいい
快楽で疲れた体は、久しぶりによく眠れた

次の日

ホテルを出た

もう、逢うことはないだろう

冷たく接する私に、直樹は傷ついた顔をする

直樹は勝手だ
自分で勝手に、私から居なくなり傷つけたくせに、自分は傷つきたくない顔をする

朝、起きた時に一つだけ質問した

ねぇ、私が赤ちゃん産みたいって言ってたら、どうした?

直樹は、

ごめんっ
まだ学生だし、親にもワガママ言って通わせてもらってる身だから、結婚も認知もできない

そう。。。

その後は会話はなかった

じゃあね

またな?
直樹は言う

もう逢うことはない

そう言って歩き出す

歩道橋から流れていた車を見ていた

下から声がした

直樹
逢いたかったよー

抱きつくかわいい人

呼ばれた直樹はさっき別れた直樹だ

肩を組み、私と出てきたホテルに入っていく

ホテルに入って

何もしない
何もない

そんなこと、あるわけがない
昨日、経験済だ

涙だけが流れた

ばっかみたい


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