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第6章 両刀論法の前提

そして、茉莉香が一番奥の部屋にあるごみを回収しようとした時・・・

（薬のシート・・・？）

全て空になっている錠剤のシートが目に入る。
未由が風邪なんてひいてる様子もなかったけど・・・と思いながら、なんとなく気になり、その空のシートを取り出してみる。

（これは・・・）

それは、経口避妊薬だった。

悩まし気に天井を見つめる。

高校3年生の女の子。経験があってもおかしくはない年齢ではある・・・が。

（問題はそこじゃないわよね）

ため息をつく。
一人で考えてもどうにもならない。

（圭人が帰ってきたら話を聞いてもらわないと）

そろそろ家を出ないといけない時間がせまっている。
とりあえず家のゴミを回収してまとめる。

愛し愛される幸せを私は痛いほどわかりすぎている。
複雑な気持ちのまま茉莉香はは職場へと向かった。


Fin