この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
難問 -兄妹の領域境界-
第12章 卒業テスト
いつもの定位置、屋上の扉の上の屋根で寝ていると侵入者が現れた。
「和也か」
「お、佑人やっぱりそこにいたのか」
卒業式が終わり、今日でこの学校も最後だ。
生徒たちは、やり残したことがないよう行動しているのだろう。
梯子を上り、和也が隣に座る。
ボタンが1つも残っていない学ラン姿の和也を見て、いまだにこんな風習があるんだなと他人事のように眺めていた。
「モテるのも大変だな」
きっと、次々と呼び出され告白されていたのだろう。
普段もたびたび呼び出されていたのだから、卒業式となればその人数は想像を絶する。
「まぁ、俺を好きって言ってくれるのは嬉しいけどね。応えてあげられないのが申し訳ない」
俺には無理だな、一人ひとり丁寧に対応するのだろう。
和也のこういうところに女たちは惹かれるのかもしれない。
そういえば、3年近くの付き合いだが特定の彼女の話は聞いたことがないな。
わざわざ聞きもしなかったが。
気づいたとたん、少し気になる。
「付き合ってるやついないのか?」
和也が少し驚いたように、目を丸くする。
「珍しいな、そんなこと聞いてくるなんて」
「気が向いた」
「体のお付き合いをしてた人は何人かいるよ」
何人もいるのかよ。
「でも、俺には佑人がいるからね~♪」
「無理」
「一時期すごい噂になったじゃん」
忌々しい記憶がよみがえる、勘弁してくれ。
「それよりお前はどうなんだよ、よく今日ボタン無事だったな」
うまくはぐらかされた気もするが、言いたくなったらいうか。
「最後のLHR終わる前に抜けた」
「かわいそうに、何人の女の子が想いを告げられずに泣いていることか」
「そんなやついねぇよ」
「わかってないねぇ、途中で篠田君どこにいるかわかりますか?って何人かに聞かれたぞ?」
「物好きなやつもたまにはいるんだな」
「結構佑人のこと想ってる子多いぞ?告白しても「無理」しか言わないって噂が流れてるから見てるだけの子が多いみたいだけど」
どんな噂だよ・・・
「しかも、付き合ってる人いるんですか?って聞くと「いない」だからねぇ・・・」
「嘘つく必要ないだろ」
「だから俺と噂になっちゃうんだよ。「和也君だけには笑顔を見せるのよねー」って」
「チッ」
確かに、居心地がいいのは否定できない。
「和也か」
「お、佑人やっぱりそこにいたのか」
卒業式が終わり、今日でこの学校も最後だ。
生徒たちは、やり残したことがないよう行動しているのだろう。
梯子を上り、和也が隣に座る。
ボタンが1つも残っていない学ラン姿の和也を見て、いまだにこんな風習があるんだなと他人事のように眺めていた。
「モテるのも大変だな」
きっと、次々と呼び出され告白されていたのだろう。
普段もたびたび呼び出されていたのだから、卒業式となればその人数は想像を絶する。
「まぁ、俺を好きって言ってくれるのは嬉しいけどね。応えてあげられないのが申し訳ない」
俺には無理だな、一人ひとり丁寧に対応するのだろう。
和也のこういうところに女たちは惹かれるのかもしれない。
そういえば、3年近くの付き合いだが特定の彼女の話は聞いたことがないな。
わざわざ聞きもしなかったが。
気づいたとたん、少し気になる。
「付き合ってるやついないのか?」
和也が少し驚いたように、目を丸くする。
「珍しいな、そんなこと聞いてくるなんて」
「気が向いた」
「体のお付き合いをしてた人は何人かいるよ」
何人もいるのかよ。
「でも、俺には佑人がいるからね~♪」
「無理」
「一時期すごい噂になったじゃん」
忌々しい記憶がよみがえる、勘弁してくれ。
「それよりお前はどうなんだよ、よく今日ボタン無事だったな」
うまくはぐらかされた気もするが、言いたくなったらいうか。
「最後のLHR終わる前に抜けた」
「かわいそうに、何人の女の子が想いを告げられずに泣いていることか」
「そんなやついねぇよ」
「わかってないねぇ、途中で篠田君どこにいるかわかりますか?って何人かに聞かれたぞ?」
「物好きなやつもたまにはいるんだな」
「結構佑人のこと想ってる子多いぞ?告白しても「無理」しか言わないって噂が流れてるから見てるだけの子が多いみたいだけど」
どんな噂だよ・・・
「しかも、付き合ってる人いるんですか?って聞くと「いない」だからねぇ・・・」
「嘘つく必要ないだろ」
「だから俺と噂になっちゃうんだよ。「和也君だけには笑顔を見せるのよねー」って」
「チッ」
確かに、居心地がいいのは否定できない。