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Blue Roses〜2度目の恋 最後の愛〜
第7章 日曜日の人
理紗は、日曜日の朝、毎週海辺を散歩するのが日課になっていた。昼間のピアノ教室の生徒も口コミで少しづつ増えてきたし、夕方はバーでのアルバイトで、日差しを浴びることが少ないからだ。
海辺をゆったりと歩く。
犬を散歩している人や,ジョギングをする人が通り過ぎて行く。毎週同じ時間に浜辺で絵を描いている男性が居た。
…あ…今日も“日曜日の人”絵を描いてる。
いつからか、風景画を描いている優しそうな男性は、理紗と目が合うとおはようございますと挨拶をするようになった。そして理紗は会釈をする…それが日曜日の日課になった。
(あの人…画家さんなのかしら。)
お天気が良い日曜日に必ず男性は風景画を描いていた。色白のすらりと背が高く線の細い男性はいつも麦わら帽子を被っていた。
いつものようにお天気なのに、今日はその男性は居なかった。理紗は、少しがっかりし乍ら、いつも日曜に必ず寄るパン屋への道を歩いた。
「理紗ちゃんいらっしゃい。」
パン屋のおばさんが声を掛けて来た。元気でいつも笑顔を絶やさない。
「今日は、どれにする?」
理紗はショーウィンドーの中のパンの何個かを指さした。
「今日も天気が良くて暑くなりそうねぇ。」
理紗がお金を渡し、おばさんがレジを開けて、お釣りを数えている時だった。
「おはようございます。」
「あら帯原先生。今日は遅いんじゃない?」
理紗がお釣りを貰って振り返ると、帽子を脱ぎながら背の高い男性が入って来た。
…あっ。日曜日の人。
帯原と呼ばれたその男は、理紗を見るとパッと優しい笑顔を理紗に向けた。
「あっ…おはようございます。今日は寝過ごしてしまって。」
理紗もにこっと笑った。
海辺をゆったりと歩く。
犬を散歩している人や,ジョギングをする人が通り過ぎて行く。毎週同じ時間に浜辺で絵を描いている男性が居た。
…あ…今日も“日曜日の人”絵を描いてる。
いつからか、風景画を描いている優しそうな男性は、理紗と目が合うとおはようございますと挨拶をするようになった。そして理紗は会釈をする…それが日曜日の日課になった。
(あの人…画家さんなのかしら。)
お天気が良い日曜日に必ず男性は風景画を描いていた。色白のすらりと背が高く線の細い男性はいつも麦わら帽子を被っていた。
いつものようにお天気なのに、今日はその男性は居なかった。理紗は、少しがっかりし乍ら、いつも日曜に必ず寄るパン屋への道を歩いた。
「理紗ちゃんいらっしゃい。」
パン屋のおばさんが声を掛けて来た。元気でいつも笑顔を絶やさない。
「今日は、どれにする?」
理紗はショーウィンドーの中のパンの何個かを指さした。
「今日も天気が良くて暑くなりそうねぇ。」
理紗がお金を渡し、おばさんがレジを開けて、お釣りを数えている時だった。
「おはようございます。」
「あら帯原先生。今日は遅いんじゃない?」
理紗がお釣りを貰って振り返ると、帽子を脱ぎながら背の高い男性が入って来た。
…あっ。日曜日の人。
帯原と呼ばれたその男は、理紗を見るとパッと優しい笑顔を理紗に向けた。
「あっ…おはようございます。今日は寝過ごしてしまって。」
理紗もにこっと笑った。