
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ランジェリーの勇気
第1章 序

そう。
このランジェリーは、自分を大人の女にしてくれる、と彼女は思う。
いままでずっと控えめで強く自分を主張できなかった。会社でも、その性格が災いしてか、いいように仕事を押し付けられ、仕事上でイニシアチブをとる機会がない。
容姿に関してはそんなに自信がないわけではない。バストこそ、そんなに大きくはないものの、上背があり、すらりとのびた脚は、短いスカートをはくことをためらわせない。性格だってそんなに悪くはないはずだ。いままでに多くの男性から告白を受けたし、思春期以降、恋人が全く途絶えた時間も少ない。
しかし、恋愛経験が豊富で男さばきが上手いか、と問われるとけっしてそうではなかったと思う。
恋人との別れの要因の第一は、彼の浮気であった。浮気がきっかけでなければ、彼の飽き、と言ってもいい。すくなくとも自分から別れを切り出したことはないし、その意味ではふられてばかりの恋愛経験だったともいえる。

