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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第4章 ♭切ない別れ♭
 同じ頃、N町のマンションでは琢郎が一人、寝室の窓辺に佇んでいた。
「そう、ですか。いや、それなら良いんです。夜分に済みませんでした」
 琢郎は丁重に礼を述べ、携帯を閉じる。傍らのサイドテーブルに置いたグラスを取ると、大きな溜息をついた。
 琢郎はいつ今し方、交わしたばかりの藤村皐月との会話を思い起こしていた。
 やはりと言うべきか、美海は嘘をついていた。Iホテルで女子高時代の同窓会があるというのは真っ赤な嘘で、美海の親友皐月はちゃんと自宅にいた。
 まさか、妻が不倫をしているらしい、男とIホテルに泊まっているようだが、その口実にIホテルで同窓会があるんだと言い訳して出かけた―などと言えるはずがない。
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