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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第1章 ♭眠れぬ夜♭
 そんなある日、琢郎がぽつりと言った。
―なあ、もう不妊治療は止めないか? 子どもがいなくたって、別に構わないじゃないか。二人だけでずっと暮らせば良い。
 あの時、美海ももう少し冷静になるべきだったのかもしれない。けれど、どうしても感情を抑えきれなかった。
―どうして、そんなことを言うの? 私は子どもが欲しいのよ? 皐月(さつき)だって、宏美だって、もうちゃんと子どもを産んで、お母さんしてるのに、私一人だけが置いてきぼり。そんなのもう、耐えられない!
 大学時代の女友達の名前をあげ、激情のままに夫に想いのたけをぶちまけた。
 それが、まずかったのだろうか。琢郎の浮気が発覚したのは、それからふた月も経たないときのことだった。
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