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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第13章 しのちゃんの受難(八)

「まさか、使っていないんですか!?」
「え? え? 舐めてもらうくらいしか」
「嘘でしょ!? 舐めるだけって!!」

 まさか、パイズリも、そこからのフェラもしていないなんて! だって、Gカップなのに!
 なんて、もったいない!!

「水谷さんは……ちょっと変わっていますね」
「彼は、私の胸を褒めなかったのよ」

 ふふふ、と智子先生が微笑む。

「私はこういう胸でしょう? 痴漢にも遭うし、ストーキングもされるし、そのあたりを歩けばいかがわしい勧誘ばかりだし、合コンでも皆胸ばかり見るし、痴漢に遭うから電車通勤は絶対にしたくなかったし、だから威嚇用でああいう服を着ていたのだし、かわいいブラもないし、肩は凝るし……本当に嫌になって、本気で乳房縮小手術を受けようと思ったこともあるわ」

 今まで男性から「おっぱい大きいね」と言われなかったことがないそうだ。
 それは――つらい。

 智子先生のコンプレックスなのに。
 とてもしんどいはずだ。そう言われても、笑顔で返さないといけないのだから。
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