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第2章 異変-急な休暇と旅支度

久しぶりの私服‥とは言え黒のスラックスに、グレー系のカットシャツ、その上に軽めの上着を１枚羽織っただけ。


そんな格好で、普段使いもしない自家用車に乗り、朝から空港へ‥少しでも早く屋敷を出たかった為、居れば余計な思いに捕らわれる、それが怖かったのかも知れない・・





空港から北海道までは２時間弱、海外にも行く私に取っては、車や他の交通機関と同じ感覚…
何の問題も無く、函館空港に到着した。



「・・予想以上に寒い……」


向こうは夏日になりそうな勢いなのに、函館はまだ春のよう…
同じ日本だと言うのに‥これならば本当にまだ桜が……


ツアー込みのレンタカーの手続きも終えて、一路函館市内へ……



「さて‥どこに行けば良いやら」


はっきり言って、明確なプランを立てて来た訳じゃ無い…
適当に観光地を回って、少し気休めになればそれで良い、そんな程度しか考えていなかった。


屋敷から遠く…
思ったのはそれだけ……


思いに耽らない場所なら、何処でも良かったが本音であり、たまたま函館が目に付いただけ。


車のナビを引き出し、観光地を検索…
元町･ベイサイドエリア･新函館駅･朝市
どれもピンと来ない。



「外人墓地？
その海際に１件の喫茶店・・」


観光地らしいが、名前からしてあまり観光客は来なそうな場所…
そう思い、私は一番最初に、その外人墓地に向かう事にして見た。




「・・最近では無く、昔の外国人墓地……」


説明文を見れば、まだ江戸時代末期のプロテスタント系の墓地が始まりだとか…


元町エリアの端の高台にあり、ぐるっと見える海の見晴らしも良い。


ロシアや中国墓地もあり、中までは入れ無いが、ゆっくりと歴史散策だと思えば、気持ちが良いと思う。


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