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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!

「デートとかはしてるの?」
「デ、デート!?」
衣里は仰け反り、さらに顔が沸騰する。
「だって初詣、一緒に行ってたじゃない? 結城、山好きだし、キャンプとか宿泊したり……」
「と、泊まりなんて!!」
さらに真っ赤っかだ。
わかりやすいくらい、衣里は結城に夢中だ。
結城もわかっているだろうに、どうしてうまくやれないんだろう。
「鹿沼ちゃん。これは……」
「うん、杏奈。これは……」
友達から抜け出ることが出来ない衣里と結城であるのなら、一歩背を押してあげるのに、友達の出番じゃない?
きっと結城だって痺れを切らしているだろう。
お互い気持ちはわかっているくせに、衣里がキャパ越えをしてしまうのは、単純に結城の誘導が悪いのか、ムードが足りないのかわからないけれど。
このままだと大好きな友達がくっつかない。
それじゃなくても衣里は、まだ結城があたしを好きだと思っているフシがある。
だとすれば疑心暗鬼と自己嫌悪に陥ってしまう。
「海、行こうか」
あたしは提案する。
「また、箱根のプールでもいいし! いつもより服を脱ぎ捨てて、裸に近い格好でいればもしかして、衣里素直になれるかもしれないし!」
「そ、そんないかがわしいことを私が結城に!?」
「衣里、月代会長とプール来てたじゃん!」
「そ、それとこれとは……」
恋する乙女は複雑だ。
「よし、だったらあたしも海に行く」
「陽菜が水着になったら、絶対あいつ陽菜ばっかり見るじゃない!」
「ありえないから! スタイル抜群の衣里がなにを言う!」
「……陽菜がいる時点で、絶対私引け目を感じてしまうし……」
すると杏奈が言った。
「だったら杏奈も行くよ。杏奈も行って、親睦旅行とかにすれば真下ちゃんも気兼ねなく……」
「「杏奈はボンキュッボン過ぎ!!」」
思わず、あたしは衣里と同時に叫んでしまう。

