この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Oshizuki Building Side Story
第5章 Coloring in a moon


「だけど杏奈も結城も、なんで付き合いが長いあたしじゃなくて、朱羽にそんな話しているのよー!」

 ぷぅっと膨れてしまったあたしの頬を、片肘をついてあたしを見る朱羽が、笑って反対の指でつつく。

「なに? 妬いたの?」

 あ~くそ。
 朱羽のこの嬉しそうな顔!
 きらきらオーラを出して、どこの王子様よ。

「違います!」

 可愛くないあたしは、つんとしてしまった。

「ふぅん? 俺はいつも、あなたの視界にいる男達に妬くけど」

 本当にさらりと、朱羽は言う。

「いまだ結城さんにも。木島さんにも」

 その返答に驚いて、朱羽を見つめ返した。

「結城はいいとして、木島くんにも!?」
「……なんで結城さんはいいんだよ」
「いや、だって……木島くんだよ?」
「なんだかんだ言って、仲良いじゃないか」
「いやいや。あたし上司だし、木島くん部下だし!」
「だったらあなただって、部下に構うより俺を頼って、ずっと俺の傍にいればいいのに」
「いやいやいや……」

 笑うあたしに、朱羽は傾けた顔を近づけ、あたしの唇を奪う。

「ちょ!」

 あたしは慌ててあたりを見渡した。
 よかった、誰もいない。

「俺は見られてもいいよ。いっそのこと、東京中ずっとキスをし続けて、俺のものだとアピールしたいくらいだ」
「な、なにを……」
「早く、俺の気持ちに追いついてきてよ、陽菜。俺は、あなたが思っている以上に、あなたが好きでたまらない」
「……っ」

 ここ、会社なのに。

「今すぐ結婚して、あなたの未来もすべてが欲しい。もう『俺が身辺整理するまで待っていて』なんて、言えない。俺が待っていられそうもないから」

 こんな真剣な眼差しを向けられたら、どうしようもないくらいに……幸せだなって思うんだ。

「あ~れ~、鹿沼ちゃん。顔真っ赤! おのれ、香月ちゃん。杏奈がいない間に、鹿沼ちゃんに悪戯したな~?」
「ふふふ、別に悪戯なら、三上さんがいてもしますよ?」

 杏奈のキラキラとした期待する、ぱっちりとした大きな目。
 近づいてくる朱羽の顔。

 あたし、人前で披露できない。
 そんな羞恥プレイ、断固反対!

「ふぎぃぃぃぃぃぃ!!」

 尻尾を踏まれたネコの叫び声を上げてしまって朱羽をかわすと、杏奈と朱羽の笑い声が重なった。
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ