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第1章 東京タワーの見えるお部屋で

雨の日に、なかよしさんとホテルにこもってするセックスは、なかなか素敵です。
雨の水曜日とかが好ましいな。季節は、春。
まだほの寒い時期に。

まだほの寒い時期に、葵さんと待ち合わせ。
東京のさくらはまだつぼみだけど。葵さんのお花はキレイに開くかしらね、などと言っては、「スケベ」と怒られたりして。

都心の立派なシティーホテルも、ウィークデイのデイユースならそんなに高くなく利用できます。会社でお昼ご飯を食べて、午後、半休を取って傘を持ち、会社を出る。
地下鉄の駅で待ち合わせた葵さんは、相変わらずのキレイなひと。
ぼくと同じぐらいの上背（女性にしては高め）。
今日はOLさん風にしてみた、という濃紺に白の縁取りがステキなスーツスタイルで。
ダンナさんの話と、モデルみたいにハンサムなカレ様の自慢話を聞きながら、ふたりで肩を並べて歩く。ひとつ傘でなく、ふたつ傘で。
ペットボトルのお茶を買って、駅からすぐのホテルのエントランスに入る。
ロビーで彼女を待たせて、お部屋の鍵をもらってくると、ふたりでエレベーターの箱の中へ。

高層階まで吹き抜けのビルの壁面に、ガラス張りのエレベーター。
ほかに乗降客はいなくて。