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第2章 第二章 大いなる淫望

彼女が部屋に入ってきた。すかさずスティックをポケットにしまう。間一髪だ。
「何してるの…」
「さっきの映像消去しろっていったじゃないですか！」
「あ、そうだったわね。」
デリートキーを彼女の目の前で押してデータを消去した。このパソコンからは…



あっという間にひと月が過ぎた。
今日に至るまで、彼女の仕事ぶりを目の当たりにして本当に驚いた。メールのやり取りから仕事の受注、的確に分かりやすく指示してくれる。僕は専門的知識を必要とする業務を振り分けて本社と外注先に依頼をし、スケジュールの管理を請け負う。甘い部分は井川部長の鋭い指摘で改善をした。全てが効率的だ。
「貴方、この一ヶ月間、よく私についてきてくれたわ！」
「いやっ、もう一杯一杯です！」
彼女に褒められると心の底からうれしかった。
「それから明日はごめんなさいね！」
「いえっ、どうせ暇ですから」
明日の土曜日、新垣さんが来社する。井川部長がメールで約束を取り付けていた。
僕も午後から出てきて欲しいと頼まれ了解していた。
来社のことは井川部長が送ったメールが新垣さんから転送され知っていた。

「加山君
お疲れさま！毎日随分がんばってるみたいね。ホントにありがとう！問題ないと思うので井川さんからのメールを添付します。週末お会いすることになりました。明日もがんばってね。

ビズライフ 新垣様
お世話になります、今回は初めてのお取引きで大変優秀な方をご紹介いただき感謝しております。今後私共も現在の業種、業態から変革していかなければなりません。つきましては、私と代表の広瀬と今後も新垣様に色々とご協力願いたくお時間をいただけないかと思っております。今週の土曜日の午後のご都合はいかがでしょうか。ご確認、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。
NJP 井川