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君を好きにならない
第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜


「なぁ、お前どっち?」


「…えっ…」


どう見ても
ネコだよな
だいたい分かるよ


「タチか?」


「いっ…いえ
そっちじゃ…なくて…」


やっぱな(笑)


「残念だったなぁ
オレもネコなんだ
ふっ(笑)
そんな顔すんなよ
見た目こんなだけど
されんの好きなんだ
やってみるかと思ったけど
どっちもネコなら
仕方ねーよな
今日はあきらめて帰れ

今度こんなとこ来た時は
とりあえず
カウンターの中にいるヤツに相談しろ
変なことにはなんねー確率は
高いから」


「…は、はい」


「よいっしょ」


俺は
立ち上がって
真琴みてぇな男に手を出した


「手ぇかせ」


俺は
しゃがみ込んでる
そいつの手を握って立たせ
意外と背の高いそいつを
そっと抱き寄せた


「いい出会いがあるといいな
お前が震えてなかったら
遊んでやったんだけど
(苦笑)

じゃあな」


「えっ…」


それから
俺は
一度も振り向くことなく
どんどん歩いた

振り向いて

あいつが見てたら
なんか
ヤバイ気がしたから


あの時のこと


また
思い出しそうで

ヤバいから。



くっそ…


余計に
誰かと一緒に
いたくなったじゃねぇか


帰っても


誰もいねぇのにさ。
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