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君を好きにならない
第8章 真実
真琴は
俺の腹に触れると
クッっと
力の入った俺を見て
イタズラな顔で
ニヤっと笑い
そしてその手を
脇腹まで滑らせた
「ちょっ、待て
俺弱いんだそーゆーの」
腰をゆがめて軽く抵抗すると
真琴はまた
俺達の股間に視線を落とした
「向井さん」
「え、なに?
ほんとくすぐったいんだって」
「ほんとすみません」
「なにがっ、くっ・・」
「あたっちゃったらすみません」
「わ、わかったから
も、無理、手、手どけろ」
真琴は
やっと手を離したかと思うと
俺の脇腹の横に
両手をついた
そして
黙ったまま
ゆっくりと俺に近づき
俺の腹に
頰をの乗せるような仕草をした
ドクンっ…
真琴
なんか喋れよ
真琴…
相変わらず
真琴は黙ったまま
腰はうまく引いてるみたいで
俺の股間には
何もあたってはいなかった
「向井さん…」
「…ん?」
「分からないです」
「な、なにが」
「やっぱり
あたってないと
分からないです」