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君を好きにならない
第9章 別れ
「え、何、
司もしかして・・」
どうして
上手く誤魔化せなかったのか
今でもよくはわからない
ショックで
言葉が出なかったのかもしれないし
正直に告白することで
省吾との
なんでもない関係が
どうにかなるかもしれないと
思ってたのかもしれない
「え、マジで?!
マジでそっちなのかよ」
否定もせずにいる
俺を見て
省吾は
確信したんだ
俺が好きなのは
女じゃないって
「マジかよ
なんで言わねーんだよ。
分かってたら
一緒になんて住まなかったのに」
俺は
どこかで
期待してたんだ
省吾の口から
『今は考えられないけど
司のことは友達として好きだから
ちょっと・・考えさせてくれ』
とか
『俺に隠してんの辛かっただろ?』
とか
せめて
『お前がホモだったとしても
これからも友達だから』
と
小説に書いてるような
そんな言葉がでてくるのを。
俺が省吾のことを
好きだということは
受け入れられなくても
男が好きだということくらいは
許されるんじゃないかと。
でも
現実は違ってた
そんなに
簡単なことじゃなかったんだ。