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君を好きにならない
第10章 帰る場所
言葉を失い

俺の目の前は

真っ暗になった



場内は
上映中でもちろん暗い


それなのに


より一層
暗くなったと感じたんだ


そして
俺の頭の中には
アイツのセリフが
何度も流れた


『お前ホモかよ、気持ち悪い』


気持ち…悪い






マサシ


死にたいくらいのことが




おきちまったよ







それから俺は




映画が終わるまで

ピクリとも動かず





真琴に返す言葉を

必死で探していた




違うと
誤魔化そうか


本当のことを
言ってしまおうか…


冷静に考えれば

すぐに
否定しなかった俺に
誤魔化すなんて選択はねーのに


俺は

省吾のことを思い出して
怯えていた



真琴が

アイツのように
俺の前から
居なくなるかもしれないことに
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