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君を好きにならない
第11章 一筋の涙

《bar slow》


「そんな訳で
もう真琴には
完全に脈なしでさ…」


「そうなの…

でも
真琴ちゃんに
気持ち悪いなんて
言われなくてよかったじゃない」


「まぁな」


「そのまま
マンションで一緒なんでしょ?」


「あぁ」


「不幸中の幸いと言うか…」


「地獄と言うか…(苦笑)
真琴は全く変わらないんだ。
あんな話は
なかったんじゃねーかって
思うくらいに普通で

……たまんねーよ」



「辛いわね…」



「まぁな…
俺ばっか色々意識してさ(苦笑)
真琴に話したら
楽になるって思ってたんだけど
そーでもねーしな…
仕方ねぇけど」



「そう簡単に
嫌いになれる訳でもないしね…

そーゆー時って

寂しくならない?
カ・ラ・ダ」


「(苦笑)」


「わかるわー
ほんとそーゆー時って
人肌恋しくなるのよねー
あたしでよかったら
肌、貸すわよ?」



「お気持ちだけ(笑)」



「もう、やだー(笑)
いつになったら
司ちゃんに
抱かれる時が来るのかしらぁ〜(笑)

あ、そう言えば
またちょくちょく
マサシが来るようになったわよ」


「そうか」


「なーんかね…」


「ん?」


「前とちょっと
雰囲気変わった気がするわ」



「そうか」


変わったか。

それは
よかった。


「それでね、あ、機嫌悪くしないでね?
これ、預かったの」


オネェは
そう言いながら
小さなメモを俺に渡した


そこには

マサシの
メアドと
携帯番号が書いてあった


あぁ…
また飲もうって
言ったっけな



「あら?
怒るかと思ったら
司ちゃん満更でもない顔しちゃって
どうしたの?」


「いや、なんでもねーよ。
ありがとな、そろそろ帰るよ」


「わかったわ、ありがとね。
それから元気だしてね?
寂しくなったら
あたしが
いつでも相手するから」


「わかったわかった(笑)
じゃ、ごちそうさん」

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