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君を好きにならない
第11章 一筋の涙
「帰ったぞー」
「………」
…?
マサシと別れて
マンションに帰り
いつものように
真琴に声をかけたが
返事がない
出掛けた…か?
リビングや風呂にも
真琴の姿はなく
そっと寝室のドアを開けると
真琴は
寝息を立てて
ぐっすりと眠っていた
珍しいな
静かにドアを閉め
リビングに戻り
テーブルをチェックすると
そこには
真琴からのメモが
置いてあった
『最終章の大筋
チェックして下さい。
眠い」
なるほど。
誰でもそうだが
最終章はなかなか難産なもんで
真琴はかなり手こずっていた
ほとんど寝ないで
毎日試行錯誤してたんだろう
やっと仕上げて
寝ちまったか。
仕方ねぇな
俺も眠いが
これからチェックするか。
俺はパソコンの前に座り
真琴専用のブランケットを
膝にかけて
画面を見つめた
もう
最終章か…。
そう思いながら。