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君を好きにならない
第14章 好きの意味
《Side 向井》


いつから飯を食ってなかったのか
真琴は冷蔵庫の中が
空になるほど飯を食いながら
ビールを飲み

俺は
そんな真琴を見ながら
酒を飲んだ


時々
肩や膝が当たるのも気にせず
俺の隣に座ってる真琴が

たまらなく
愛おしくて

何度も触れたくなる


その度に
俺は酒を口にして
その衝動を誤魔化していた


「真琴、仕事はどうだ?」


「あー…それが…」


「ん?」


真琴はバツが悪そうな顔をしながら
両手を合わせた


「すみません!
一行も進んでません!!」


「はぁ?!
何やってんだよお前はー」


「いや、書かなきゃ!って
頑張ったんですよ?!
向井さんから貸してもらった
DVDも全部見たし
BL小説も読んでみたし!

けど…もうなんか
頭の中ぐちゃぐちゃで
全然書けなくて…」


「……」

えっ、見たのか?
アレを全部見たのか!!

そ、それはそれで
なんか恥ずかしいような
いや別に俺が出てる訳じゃねーけど
なんか生々しいとゆーか

てか
それを見ても
俺を好きってことは
それなりの覚悟で…


「だから!」


「え?」


「だから
夜は向井さんの後をつけたり
しちゃって…

そしたら
マサシさんと仲良くしてるから
またなんかモヤモヤして書けなくて
悪循環で」


「そ、そうか」


真琴は酔ってきたのか
俺に更に近づき
しゃべりが止まらなくなってきた


「けど俺はゲイじゃないから
向井さんのことは
前から好きだったけど
その好きがどーゆー
好きなのかどうか
わかんなくて」


「あぁ」


「そしたら!」


「え?」


「向井さんが
マサシさんの部屋に
入って行こうとするから!」


「うん」


「そんなのヤダーーって思って
ぎゅーーー…」


って言いながら
真琴は
また俺に抱きついた


「ってやっちゃってたんです」


「う、うん」


「それで分かったんだ。
俺は向井さんが
大好きなんだって」


「そ、そうか」


「キスしていいっすか?」


「え?、あ、あぁ…」


真琴は
嬉しそうに
俺に唇を重ねると
何度か舌を舐めて
満足そうに
俺から身体を離した


そんな真琴に



俺はもう

メロメロで
死にそうだ
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