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君を好きにならない
第2章 真琴!死ぬなよ!
《BAR slow》
Side マサシ
「いらっしゃーい」
「ここ、いいですか?」
俺はそう言いながら
カウンターを指差した。
「もちろんよ。
マサシ君、今日も来てくれたんだー」
「え、えぇ…」
今日のカウンターは空席。
ザッと店内を見回したが
…司さんは居ない。
「司、来てないよ」
カウンターの中のバーテンさんは
俺が何も聞いてないのに
そう教えながら
おしぼりを渡してくれた。
「あ…はい」
「司ちゃん
一杯でも飲みに
よく来てくれるんだけどね」
「そう…ですか…」
「がっかり?」
「……」
「そう顔に書いてあるわよ(笑)」
「はい、その通りです」
誰でもいい。
そう思っていた
俺の考えは
司さんに出会ってから
変わってしまったんだから
このバーテンには
ちゃんと伝えておいた方がいい
そう思った
違う客を紹介されても
付いていく気には
なれないんだから。