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秘めごと
第1章 芽吹

学校が終わって、早めに帰宅する。
今日は沙羅がお休みだったから、寄り道に誘われなかったし、お昼は1人で食べた。いつも食べてくれる沙羅がいなかったからお弁当箱の中に残った可哀想な残飯たち。
お母さんが帰ってくる前に妹にでも食べてもらおうか、そう思いながらドアを開ける。
ガチャガチャ
「?」
何時もは大抵開いている玄関のドアが開かない。
誰も帰ってないのかもしれないが珍しい。
鞄のチャックを開け、中から鍵を取り出す。
カチっと外れる音。
私は鉄の取っ手を押した。
「………ッ……」
「?」
玄関を開けてすぐある階段の上。誰かの声がする。
2階は私とアキの部屋だ。
帰ってすぐ部屋に上がるなんて珍しい行動だ。
私はさっきのお弁当を思いだして階段をのぼっていった。
ギシギシ
「……ッン……」
「?」
部屋に近づくにつれて中から音が聞こえてくる。
(友達でも呼んだのかな)
キィ
「アキ、友達来て…」
「キャァ!?」
「うわっ」
その瞬間、アキの匂いと、汗と、知らない匂いとに包まれた。
ドクン
ガシャっと落としたお弁当は、無惨に床に散らばる。
私もアキも身動きが出来ない。
床に散乱したアキの下着と男物の下着。
シワのよったベッドカバー。
アキの中に、得体の知れないものが入っている。
赤黒くて太くて、どちらのものだろう、なにかネバネバしたものが下腹部を汚している。
私は目の前がチカチカした。
バタン!
慌ててドアを閉めて、自室に入った。
心臓が生まれて初めてドキドキしていた。
胸に手をあてるとすごい速さで鳴っている。
「ハァ…ッ」
まだ目の前がチカチカして、その場に座り込んでしまった。
熱い…
熱い…よ…

