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エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
 
 
 涙目になって、舌の指使いに息を乱すあたしは言った。

「……って」

「ん?」

「触って」

 ああ、なんてはしたない。
 
 そう思うのに、須王のフェロモンには逆らえなかった。
 この噎せ返るほどの濃厚な香りに、ただあたしは弾け飛んでしまいたくて、焦れていた。

「手で? 舌で?」

「……手っ」

 そのもどかしい動きをしている指を望んだというのに。

「どこを?」

「……っ」

「柚ちゃん?」

「……ろ」

「ん?」

「須王と奥まで繋がれる場所」

 顔から火が出そうだ。
 それなのに―――。

「どこ?」

「……下!」

「舌?」

「ち、違う?」

「ほかにあるか?」

「……~~っ!! 一番……今のあたしが須王が欲しいところ! 言ったら恥ずかしくて死にそうになる場所! 須王がパンストを破った場所っ!」

 真っ赤に染まった顔で涙目をして、もうやけくそだった。

「あはははは。ぎりぎり及第点だな。……泣くなって。可愛い奴をいじめたくなるのは、仕方がねぇだろう? 頑張ったご褒美をやるから。な?」

 須王は艶笑してあたしの頭をひと撫ですると、身体をずり下げて助手席の足置き場に大きな身体を入れ、あたしの両足を持ち上げるようにして、ショーツごとパンストを引き抜いた。
 そして足を大きく開かせると、花園を指でかき混ぜる様を、近づけた顔でじっと覗き込む。
 
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