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その唇に愛を
第2章 ▽ きっかけ
見てはいけないものを見てしまった。
私にとっても、彩花にとっても。
ただ逃げるしかなかった。
その場を離れなければ。あそこに居続けてはいけない。
本能に近いものを感じた。
ーーーーー
元の場所へ帰ってきた。
でもあの光景を見たあとにあのふたりと帰ることになれば、絶対いつも通りの私のように振る舞えない。
そう考え、彩花に
「この後用事あるの忘れてた!ごめんね、先帰る!」
とメッセージを送った。
帰り道は幾分落ち着いていた。
頭の回転はまだ本調子でなかったが、少しずつ彩花とのこれからを考えることが出来た。
ある結論に至ったところで、自分の家がある路地まで着いた。
空は雲に覆われていたが、隙間から二つの寄り添う星が顔を出していた。
私にとっても、彩花にとっても。
ただ逃げるしかなかった。
その場を離れなければ。あそこに居続けてはいけない。
本能に近いものを感じた。
ーーーーー
元の場所へ帰ってきた。
でもあの光景を見たあとにあのふたりと帰ることになれば、絶対いつも通りの私のように振る舞えない。
そう考え、彩花に
「この後用事あるの忘れてた!ごめんね、先帰る!」
とメッセージを送った。
帰り道は幾分落ち着いていた。
頭の回転はまだ本調子でなかったが、少しずつ彩花とのこれからを考えることが出来た。
ある結論に至ったところで、自分の家がある路地まで着いた。
空は雲に覆われていたが、隙間から二つの寄り添う星が顔を出していた。

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