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第5章 春ー2

春が来た

また、桜が咲いている

綺麗な桜の木の下で、初めて陸に逢った

初めから、嫌われていた

あの日以来、陸は抱いてくれない

隣の席の私に、笑いかけてくれさえしない

寂しさを先輩で埋めていた

でも、心は満たされない。。。

クラス替えの紙を見ながらため息をつく

やっぱり、同じクラスなんだ。。。

また、同じ空間にいられる嬉しさと、私以外の女の子に笑いかけるのを間近で見なくてはいけない複雑な気持ちが、入り交じる

教室に向かう途中に、階段下から呼ばれて抱きしめられる


茉莉、何組だった？


C組です


先輩を見ると、キスしてくる

２年生と３年生は、同じ階だ。。。


やった

隣のクラスだ。。。


甘いキスの雨が降ってくる


んんっ。。。誰か来ちゃうよ？


だから、いいんだろ？


手が、体中に這ってくる

私の体を知り尽くした先輩の指がなぞる


ぁ。。。ぁん。。。


茉莉、声が漏れてる。。。


キスしながら、視線を感じる

視界の端に陸が見える

目が合うと、切ない目が私を見る


どうして？

何で、そんな目で見るの？


チャイムが聞こえる

体が離れていく


茉莉、時間切れ。。。


頭をポンポンしていく


二人で、別々の教室に入る


あとでな？


手を振る先輩に笑いかけて、席に座る

隣の席の陸を見ないようにする

何で、いつも隣の席か、前か後ろの席になるんだろう。。。

近くにいたら、ずっと苦しいよ。。。

忘れたいのに、心は陸しか見ていない。。。

視界の端に写る陸の指が見える

あの指に、なぞられたい。。。

欲情していく

陸に、抱いてほしい。。。

体が陸を求めている


茉莉？


陸が私を見ている


泣いている。。。


え？


いつの間にか、涙が流れていたみたいだ


お腹痛いの？


違っ。。。う。。。


先生、保健室に連れていきます

茉莉、立てる？


陸が立ち上がり、私の手を繋いで教室から連れ出していく


陸？ごめん。。。

大丈夫だから。。。

一人で行けるよ？


陸に、甘えたくなくて、繋いだ手を離す


振り向いた陸は、また、私の手を繋いで歩いていく


保健室には、向かっていない。。。

階段を登っていく

屋上の扉を開けると、引っ張っていく