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第8章 夏―2.9

ゆりと、誠の会話は、成り立っていない。。。

一方通行なゆりを、誠がなだめている

誠に、同情しながら、窓の外を見る

陸は、あかりと１日一緒なんだ。。。

ショックだった

好きな人が、好きな女といる

気が狂いそうに、嫉妬する

あんな、笑顔は、私にはくれない。。。

車が停まると、誠が、ゆりを見る


ついたよ。。。

待ってるから、行けよ。。。？

終わったら、電話してくれればいい。。。


ありがとう。。。

茉莉、行こう？


お母さんが車から、降りると、誠が私の腕を掴んでくる


茉莉ちゃん？

今なら、まだ間に合う。。。

本当に、本当の父親に会うの？

会ってしまったら、お父さんとの関係も、壊れてしまうかもしれない。。。

お父さんは、茉莉ちゃんのことは、本当に娘として育ててきたんだと思う

本当の父親に会って、どうしたいの。。。？


っ。。。わからないです

私、会いたいわけじゃないのに、お母さんが言うから。。。

よくわからないんです

お母さんがどうしたいのかも。。。


本当のお父さんの家庭が壊れても？


っ。。。わからないです


だよな？

まだ、わからないって思うよな。。。

まだ、子供なんだから。。。


お母さんが、車を降りるように言っている


茉莉ちゃん？


はい。。。


逃げようか？


え？でも。。。


お母さん、勝手だと思わない？


はい。。。


じゃあ、たまには、いいだろ？


いたずらっ子みたいに、クスクス笑いながら車を中からロックして、走り出す


お母さんが叫んでる声が聞こえる


茉莉ちゃん、どこに行こうか？


いいんですか？

お母さんに、叱られない？


クスクス笑いながら、ミラーから私を見る


大丈夫。。。

だって、俺の奥さんの方が、もっと恐いから。。。？


ふふっ

そうですね？


一緒に笑い出していく

こういう所は、陸に似てる

一緒に生活していたら、似るんだろうか。。。？


どうしたの？


ミラー越しに見える誠を見る


いえ。。。

そうやって、笑う所が陸に、似てるなあって？


似てないよ。。。？


え？


陸が俺に似てるんだよ？


そうですね

ふふっ