パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 秋ー2

詩織side

アメリカに行く前に、自分ができる全てはした

誠は何も言わなかった

飛行機に乗る前に、もう会えるのは最後かもしれない蓮と、陸に笑いかけた

生きていられる半年の間に、日本に帰ってこられるだろうか。。。

もう、抱きしめることも出来ないかもしれない子供達に手を振って別れた

飛行機に乗ると、隣の誠が話しかけてくる


これで、良かったのか？


よかったよ。。。？


頭を誠の肩に乗せていくと、腰を抱きよせられていく

昨日、最後に抱きあったことを思い出してしまう

もう、抱き合うことも出来なくなる。。。

しばらく、眠ることにしてお互いに眠りについていく

外が真っ暗になる頃、突然に機体が揺れた


え。。。？


誠を見ると、難しい顔をしていた

英語で流れるアナウンスは、よくわからない

周りがざわざわしていく

誠を見ると、抱きよせられていくが目が怖い


誠。。。？


エンジントラブルみたいだ。。。

落ちるかもしれない。。。


え？


急に、体が反応して震える


詩織。。。？大丈夫？


はあっ。。。大丈夫。。。


薬は？


ついてから、飲もうって思ってたから。。。


大丈夫。。。一緒にいる。。。


でも、みんな、祈ってるよ？

もしかしたら、ダメなのかな。。。？


っ。。。アナウンスで、祈ってくれって？


そう。。。


死ぬかもしれないって分かると、頭の中は落ちついていく

どうせ、半年も生きられるかわからない命だ

覚悟はできていたようで、できていなかったようだ

誠が携帯の録音していく


もしかしたら、この声は届かないかもしれない。。。

でも、もしかしたら、届くかもしれない。。。


周りは、ざわざわしていて、悲鳴も聞こえている

録音しても、聞こえないかもしれない。。。


...

詩織。。。？


誠、もうこのまま死んじゃうのかな？


大丈夫だよ。。。

ずっと、抱きしめてるから。。。？


私、誠にまだ言ってないことある


病気のこと？


誠は、何でも知ってるのね？


ごめんな。。。？気づいてやれなくて。。。

ずっと一緒にいたのに。。。


私、長く生きられないの。。。

半年すら。。。


っ。。。誠。。。息が苦しい。。。

はあっ。。。まだ、陸にも伝えてない。。。


詩織、大丈夫か？