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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第11章 虚しさという名の快楽

腹筋に付きそうなほど反りかえるモノを、伊月の手が上下にしごく。

あと少し腰を前に進めれば花菜の蜜口に埋もれるギリギリの位置で快楽を貪る──。

この珍妙な状況に思わず笑ってしまう口許を歪めて、伊月は苦し気に息を吐き出す。

「ハァっ、ハァっ…!!」

誰を待たせている訳でもあるまいに、何かに追いたてられるように快楽の絶頂を求める手が止まらない。

またすぐに新たな粘液が亀裂から現れて、彼の手を淫らに濡らした。

花菜の寝顔を前に自慰にふける背徳感──。堪えきれなくなって何度か目を閉じる。

だがたとえ目を閉じたところで、瞼の裏に浮かぶものも等しく花菜なのだ。

玄関のドアに押さえつけてキスをした時、蕩けそうな目でこちらを見上げてきた彼女の顔なのだ。

「…っ」

花菜──…!

伊月は身体を倒し、花菜の上に覆い被さった。

手の律動はそのままに彼女の唇に喰らい付く。

ぷっくりとした下唇をしゃぶり、無理やりこじ開けた隙間から舌を捩じ込んだ。

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