この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第3章 ルール
──…
「鈴村さんって、年上の彼氏がいるってほんと?」
翌日の武宮高校。
外は小雨だった。
帰りのホームルーム前の掃除時間、屋上に続く階段でホウキを持つ花菜に同級生の女子が話しかけた。
別に親しい仲でもないのに、持ちかけられた話題には突拍子がない。
「…え、彼氏…? わたしに?」
「そーそー。昨日さぁ、一緒に歩いてるところ見たんだって」
「見たって…っ、いつ?」
「だから昨日よ。昨日の夕方」
昨日の夕方。
過去の記憶をたどったところで、花菜に彼氏と呼べる男は生まれてこの方いないのだから、それはあり得ない。