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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第22章 epilogue ~どうか 夢のままで~
わたしは夢を見る
そこは誰かのお葬式で、花と線香でいっぱいのお部屋でわたしが泣いている
「泣かないで」
「わたしが…殺したんだ」
わたしは……わたしがどうして泣いているのか、よくわからない
「わたしが『嫌だ』って…ッッ…『やめて』って!だから」
「…っ」
「わたしなんかの せいでッ…──お兄ちゃんがぁ」
「──…」
「お兄ちゃんがああ……!!」
泣いているわたしの前には、男の子がいた
「安心して」
その男の子は手に持っていた白い花の冠を、棺の上に静かに置いた
……ううん、そうじゃない
捨てたんだ
棺の中に眠っている誰かに向けて、花の冠を捨てたんだね