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友達のままがいい
第3章 過去(中学生)…
小学生の時の好きという気持ちが淡い思い出と化していく中、中学2年の冬にある噂を耳にする。

『彼が私と同じクラスの女性とつきあいだした』と。

ザワザワと気持ちが波打つ。
忘れていた何かを思い出す。
それが何なのかわからない。
まだ知らない。

構内で二人一緒の姿をみかけることはなかった。
だから噂は噂でしかないのかもしれないと思っていた。
だけど、3年になった頃から廊下で彼と彼女を見かけるようになった。
休み時間ごとに彼女に会いにクラスにやってくる。
お昼も一緒に教室で食べ、楽しそうな二人を見せつけられる。
手を伸ばせば触れられるのに、彼の視界に私はいない。
あんなに仲が良かった私たちも今ではただの同級生。
同じ小学校の卒業生。
今は友達でさえない…

そんな二人を見たくない私はお昼休みになればお弁当を持って教室から逃げ出す。
校舎裏のあまり人がいない場所。
そこが定位置となる。
ここで思い出にひたりながらお弁当を食べる日々が続く。
この中学に入学した当時、同じ小学校から上がってきた仲間とここで落ち合ってお弁当を食べていた。
もちろん、その中に彼もいた。
1か月も過ぎれば新しい友達ができて一人一人現れなくなる。
私はたまに一人で来ていた。
誰に会うこともなかったがそれでもホッとできる場所ではあった。
その場所が今では逃げ場所となる。
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