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友達のままがいい
第3章 過去(中学生)…
家の中では彼と母親の声が聞こえてくる。
母親の声は心配している。
だけど彼の返事は元気いっぱいだった。

「大丈夫!あいつらがいるから」

その言葉に誘いに来てよかったと思った。
ドアが開き、彼が姿を現す。

「待たせたなっ」

「おっせ~」

男性陣が彼を囲み、玄関から外に連れ出す。
その後ろで彼の母親が私たちにそっと頭を下げる。
私たちも彼の母親に頭を下げ彼らの後を追う。
小学生の時と同じように8名で通学路を歩く。
また8名で歩けてよかったと思う。
勇気を出して彼に会いに行ってよかったと思う。
みんなに電話してよかったと思う。

彼が私の横に並び誰にも聞こえない声で囁く。

「味方で…友達でいてくれて、ありがとう」



学校に行くとまた噂が復活する。
白い目で彼を見る。
腫れ物に触るかのように彼を取り囲む。
そんな彼を私たちは普通通りに接する。
お昼も6人一緒に食べる。
極力一緒に行動するように心がける。
一人一人真実を知り、彼の周りに人が集まるようになった。
噂は少しずつ消え何もなかった時に戻って行ってった。

受験真近な私たちの時間は目まぐるしく過ぎていき、高校受験に合格した。
それぞれ自分の未来に向かってそれぞれの道を歩き始める。
何かあったらまた集まろうと決めて。
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