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連攣鎖(つれづれぐさ)
第32章 アバンチュール
階段下の斜めになっている部分に押し込められて、
離れては近づきキスを交わし、
また離れて見つめ合いキスになる。

待ってた電車も見送って、降りた客からの視線も無視して、何度も何度もキスをしていた。

離れていく彼の唇に私の唇から糸が引いていました。

「帰りたくなくなっちゃうじゃん。」

「うん、帰したくない。


泊まる?」

頷けば彼に手を繋がれ、改札を出る。
地下街を出てしまえば、もう…



そんな時に、彼の足がピタリと止まる。

「やっぱり、帰ろう?」

………

「俺ね、今、貴女を抱いたら、もう止められなくなる。
中途半端じゃ、我慢できなくなる。
○○さん(夫のこと)に断って、俺のものにしたい。

でも、貴女の、貴女の子供だけは泣かせたくないなぁ…」

彼の長い足でスタスタ歩かれて、半歩遅れてついていくように歩いていた私。

半歩先で、進行方向を向いたまま言う彼の表情は見えませんでした。

片割れのように思っていた彼と結ばれたい。
後先考えずに着いていきましたが、子供のことを出されたら何も言えませんでした。
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