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連攣鎖(つれづれぐさ)
第2章 初めて
『撮られただけで下着を濡らして…』
目覚まし時計の向こうで男が言います。
『いやっ』
濡れるということすらわからない私でしたが、首を横に振って拒みます。
『下着を脱ぎなさい。』
他作自演の一人芝居でしたが、男に命令されて従うしかないと思い込む私がいて、
私はパジャマのズボンとパンツを膝上まで下ろしました。
そして、待っていた男がしたかのように、膝上のパンツと太ももで出来た三角形の真ん中に目覚まし時計を置き直しました。
本を読んでいたので部屋の電気はついたままで、私はパンツを脱いでいることが恥ずかしくなりました。
『夜更かしするな』と両親が部屋にくることがあるのを思い出し、めくっていた布団を被りました。
もし、来たら、本を読みながら寝てしまったことにしよう。
部屋の電気を消せばいいことなのですが、
私はベッドから離れられなかったのです。
素肌に触れるシーツと布団の感触はヤケに新鮮で、着ているものにはそんなに感じない、他人のような布の感触でした。
居もしない男に命令されて、そんな非日常にいるのだと、ドキドキしていました。