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友達でいるしかない
第1章 プロローグ
暖かい温もりが俺を包み込み、腕の中でモゾモゾと動く。

『あ~・・・やっと手に入れたんだ』

と実感する。

長い長い片思い。

歯車がかみ合わず、彼女に自分の気持ちを伝えるのに何年かかったんだろう・・・
友達でいることでしか彼女の側にいることが叶わないと諦めてた。
それでも良いと思ったこともあった。
だけど、諦め切れなかった。

諦めないでよかったと思う。

今、この瞬間、彼女は俺の腕の中にいる。

長年思い続けてきた気持ちが報われた。

この手を絶対に離さない。
どんなことがあろうとも、つないだこの手を離すことはしない・・・


腕の中の彼女が俺の背中に腕を回して胸元にスリスリしてくる。
幸せすぎる…

「どうした?」

彼女は一瞬動きを止めて恥ずかしそうに顔をあげる。

「んっ…夢じゃないんだなって思って…」

その、はにかんだ顔がたまらない。
俺は彼女を包んでる腕に力をこめる。

「うん。夢じゃない…俺はここにいる。ずっと文香の側にいる。文香…始めてをありがとう…そして、俺が最初で最後の男になるから…だから、ずっと側にいて。」

一生に一度のプロポーズ



彼女は気が付いているだろうか・・・

俺がどんなに君を欲しがっていたのか。
俺がどんなに君に恋をしていたのか。
俺がどんなに君を見つめていたのか・・・

なぁ…

今、俺がどれほど幸せか…分かってる?文香…
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