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友達でいるしかない
第3章 初めての彼女
親と先生と俺との話がついて荷物を取りに教室に戻る。
ドアを開けると、先ほどまで騒いでいた教室内が一気に静まり返る。
俺はそれを無視して自分の机の物を乱暴に鞄に放り込む。
誰一人声をかけてこない。
所詮友達なんてそんなもの…
何かを求める相手ではない…
自分にそう言い聞かせて教室を後にする。

下駄箱で母親が待っていた。
泣きはらした目を見て胸が痛くなる。

「かあさん…迷惑かけてごめん」

それを言うのが精一杯だった。
女で一つで育ててくれている母親。
その母親を泣かせてしまったことだけが後悔となる
母親は何も言わずに泣きはらした目で笑顔を向けてくる。
その顔に、俺の方がたまらず涙を流す。

母親に促され黙って後ろをついていく。
何も言わない。
話し合いの時でもあまりしゃべらなかった母親。
ただ頭を下げて「ご迷惑をおかけしました」というだけだった。
家について、リビングのソファーに座る母親を見て何も言えずに立ちすくむ俺にやさしく微笑む。

「こんな時にお父さんがいてくれたら男同士の話をしてらえるんだけどね…則孝?子供だから大人だからとかで話をするつもりはないよ。問題は相手を大切に思うこと、思いやること。それを忘れちゃダメ。本当はきつく叱らないと駄目なんだろうけど…。則孝、気持ちに流されないで。自分の行動が何をもたらすのかきちんと考えて行動しなさい。相手も傷つくし…もちろん則孝だって傷つく…母さんから言うことはそれだけよ。」

それだけ言うと夕食支度を慌ただしく始めた。
部屋に戻ってベットに横になり考える。
正直…今回は自業自得だと言われればそうかもしれない。
完全に自分の独りよがり。
美春を傷つけたのは間違いないと分かっていた。
今度会ったら、きちんと謝ろう…そう思う。
彼女が俺と話してくれるならばと…
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