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友達でいるしかない
第6章 文香の幸せ
「…文香…嫌われているのは知ってる…酷いことしたんだから嫌われて当然だと思う。…ずっと謝りたいって思ってた。けど次に面と向かって『嫌い』って言われたらと思うと…どうしても話しかけれなかった」

何も言わずに黙って聞いてくれる文香。
俺は立ち上がって文香の前で深々と頭を下げた。

「ホントに、ごめん!!…俺…このまま文香との仲、終わりにしたくない。最後の最後にならないと勇気だせなくて…背中押してもらって今日になった。けど、ずっと気になってた。本当にごめん。許してほしいなんて虫が良すぎるかもしれないけど…許してほし…何があっても俺の味方でいてくれた文香にこれから先も俺の理解者…友達でいてほしい」

情けないことに涙が出る。
乾いた土が涙を吸い取る。
立っている足が震えてるのも分かる。
みっともないほど情けない姿を晒してる。
それでも、傍にいてほしいと思った。
こんな姿を晒せるのも文香だけだから。
こんな俺だからずっと傍に…友達でいいから傍にいてほしいと。

「…うん…」

それだけ文香の口から聞こえた。
顔を上げて文香を見ると、ハンカチを差し出してくれていた。

「友達でいよう?これから先、ずっと…。また何かあるかもしれない。だけど喧嘩しても何しても最後は友達に戻ろう?」

俺に優しい言葉をかけてくれた。
その言葉に俺は誓った。

一生守り抜くと
彼氏になれなくても、困ったことがあったときに手を指しのべて文香を守ろうと。
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