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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第2章 出逢い、夏フェス
『――ね……しーね!』
『しーね!しね――!』
気を失いかけていたしのの意識に突如、遠い昔に聞いた事のある声が割って入り、彼女は瞼を開いた。
ステージから意を決して飛び降りたしのは、恐怖に一瞬で白目を剥いたが、下手に目覚めなかった方が幸せだったかも知れない――と思った。
散々煽っていた客達がそこに居ない。見えるのは人々が足を踏み鳴らし跳躍する度に舞い上がる砂埃と固そうな地面だけだ。
草も生えていないそこに叩きつけられたら、頭か首の骨を折って死んでしまうのかも知れない。
どうせ死ぬなら一思いにやってくれた方がいい――しのは、遠い記憶の底から聞こえる声を感じながらぼんやりと思った。
『しーね!しーね!』
『しーね!しんじゃえ――!』
――しんじゃえ、ですって?
そんなの、仕方ないじゃない……そんな簡単に人って死ねないのよ?
それに……言われなくたって、私は喜んで楽しく生きてるわけじゃない……
死にたいわけじゃないけど、悲しい事ばかりなら……終わりにしてもいいや。

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