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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第6章 身体が先か、恋が先か――
ぷに、と指で頬を押され、高林は瞼を開ける。
「刺される前で良かったな……顔のど真ん中に虫刺されの跡があるのはいただけないだろ」
「ひゆああああ――っ!」
至近距離に海の整った鼻筋と目元があり、高林は真っ赤になって叫ぶが、海の大きな掌がその口を塞ぐ。
「バカっ!張ってる最中に大声で叫ぶやつがいるか!」
「むむむ……らって……らってうみしゃんが――っむむっ」
車の中の話し声は夜の街中では意外と響く。運悪く、自転車に乗った警官がこちらに向かって走ってくる。
「ちっ……今夜は撤収だな」
海は舌打ちし、高林を乱暴に後部席に押しやると、ハンドルを切りかえし車を発進させた。

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