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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第8章 愛の巣
堺は腕を上げ辛うじてしのの木箱を守ったが、自分の顔面までは無理だったようだ。
転んで顔を床にめり込ませながら両腕を高々と上げるなど、随分と器用な転び方だーーしのは彼が身を呈して死守した箱を受け取り、奇妙な呻き声をあげる彼を見おろす。
「堺さんって段差がない所でも転ぶのね……家の中だからって安心出来ないわね……どうしたらいいのかしら?」
「むぐぐぐ……ち……ちが……しのちゃんが……」
「私?」
しのは箱を大切そうにデスクの横のドレッサーの椅子に置き、怪訝な声を出す。
「しのちゃんが……ぼ……僕を誘惑……するから……だからドキドキして」
「ええっ?そんなのしてないっ!」
しのは心外だと言う風に眉を吊り上げた。

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