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第3章 嫉妬

明くる日、


「旦那様、ガラスの修理が終わりました」


別室で茶を楽しんでいた主人の元に、アリスが顔を出した。


「ありがとう。飲み終わったら行く」


昨晩の出来事で部屋の移動を余儀なくされ、客室で夜を明かしたシェリルは疲れた様子。
部屋の雰囲気が変わると、眠れないタイプだった。


「旦那様…。昨夜は申し訳ありませんでした…」


「その言葉なら聞き飽きた。もういい」


「………………」


一階の一番奥には、召し使いだけの部屋が幾つかある。
その一室を一人で占領するアリスは、いつ何時主人に何があってもいいようにと、数時間置きに起きては様子を見に行っていたが、その日ばかりは朝まで熟睡してしまった。