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第50章 そっくりメイク

「じゃあ、田辺社長に連絡するから」

本城がスマホを持ってパウダールームから出ていく。

「田辺社長も待ってるそうだ・・・
ふたりとも頼むよ」

すぐに戻ってきた本城が麗と健に声をかける。

「はい、会長のお役にたてるように頑張ります」

麗がしっかり本城の顔を見て返事をする。

世間的には経済的に困っていた姉弟を金の力でオモチャにしたスケベ親父と言われても仕方ない本城だが、麗は自分を大学卒業させてくれて弟も留学させてくれた本城を恩人だと思っている。

しかも早くに父を亡くしてファザコン傾向のある麗は、恩人というだけでなくひとりの男性としても本城を意識している・・・。