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第22章 猜疑心

しかし、これらの
行為は犯罪ではない。

少なくとも合意の上であり
法的に結ばれた男女ではないので
権力が介入できる物ではない。

それに騒ぎ立てると
圭一も典子も会社での
立場が悪くなる。

美智代は自分を裏切っている
圭一と典子に対して敵意は
持っていなかった。

何故なら圭一を先に裏切ったのは
自分自身だったからである。

自分の不倫を許してくれた上に
関係の継続も認めてくれた圭一。

その圭一が浮気をしたとして
責められる自分ではないと
思ったからだ。

典子に対しても申し訳ない
と言う思いだけだった。

自分が不倫に走らず圭一だけを
見ていればこのような関係は
無かったのかも知れない。

取りあえず自分が
しゃしゃり出る事は
返って全員が不幸になる。

しばらくは様子を
見守る事にした。