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第27章 離ればなれの日々

一か月後の週末、現れた
女性は和服を着ていた。
年の頃なら３０代半ばか？

妖艶な大人の色香が
匂い立つ女性であった。

名前を聞いて驚いた。

佐竹志保、
「佐竹、佐竹？佐竹！もしかして
佐竹社長の奥さんですか？」

「左様でございます」

「無理無理無理、無理です！」

相手は上場企業の社長夫人。

身分が違い過ぎる。

それに美智代の浮気相手の
奥さんでもある。

恐縮して言葉を失う
優大であった。

「やはり、私のような
オバサンでは嫌ですよね」

悲しそうな顔で左の目から
一筋の涙をこぼす志保。

これには一溜まりもない
もう何も言えない優大であった。