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彼の秘密
第19章 テスト準備期間が来ました
「うん、じゃあ午前はこれで終わり」
やはり彼は教え方が上手い、一時間ごとに休憩を挟みながら且つ効率よく教えてくれて頭にすんなり入りやすい内容で、すでに時計が13時を指してたことに驚いた。

「でも苦手と言ってた割にはちゃんと基礎は理解してたし、この調子でやれば平均80は硬いかな。後は応用をやらなきゃだけど・・・少しだけ休もうか。
勉強漬けもいいけどそれだとこの後が持たないからね、じゃご飯にしよう」

「お、ごはん!」
先輩の料理は本当に好きで、お腹が急にすいてしまう

「っていっても、そんな大したものはないから普通にそうめんにしようかな。今日も暑いし」

「あ、意外」

「俺だってたまには適当にするよ、いつも凝ってても疲れるし。あっ、別に雫に作るのが面倒とかじゃなくて」

「わかってますって。俺もそうめん好きですから」
そう?と彼はゆっくりと欠伸をしてる様子を見ててあることを思い出した。

「そういえば、盗聴とかは大丈夫なんですか!」
平和すぎて忘れていた
「うん、もう仕掛けは取ったし。注意はしてるから」
彼はさらっというが、心配だ

「警察に言わないんですか?」

「まぁ、お金がかかるし。別に目立った被害もないしね、それより俺の私生活なんて聞いてもつまらないのによくやるよなーって思ってる。」

「それはそうですけど、なんで犯人は先輩にそこまで執着するんでしょうかね」

「・・・さあ、ねぇ、膝枕してもいい?」
彼はその質問から避けるように目をそらして、隣に寄ってきてそのままころっと膝の上に頭を乗せてきた
突然のことに、体が強ばってしまった
「うーん
こんな感じなんだ・・・いいね。気持ちいい」
彼は本当に気持ち良さそうに目を細めて笑いながらすっと俺の前髪をどかす。
その仕草にどきっとしてしまう
上目遣いで視線が合ってしまうと尚のことだった

今日は勉強のために来てるとは行っても、少しは恋人らしいというか触れあいたい気持ちが出てきてしまった・・・
ちょっと位ならと思い、白く透けそうな頬に手を当てる

「膝枕そんなにいいですか?」

「うんこのままだと寝ちゃいそうなくらい
でも、今日は勉強だからね・・・起きるよ」

体を起こして彼は台所にたった、残された俺の膝から離れた温もりと重さの余韻が寂しかった。

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