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タイムリミット365
第13章 エピローグ
きらびやかなステージで、歌う彼を私は見守る。
強気で、それでいて繊細で、そんな彼は私の記憶の中の彼に日に日に似てきている。
「きゃーっ!Kirato!こっち向いて!!」
女の子の黄色い声にはにかみながら、ステージの彼は今日も輝いていた。
そんな彼が急に真剣な表情をして、マイクを握る。
シーンとした空気の中、彼が静かに話した。
「今日は俺の親父の命日なんだ。俺の親父は俺が産まれる前に病気でなくなった。俺は高校生になった時、初めて親父の遺作を読んだんだ。俺の親父と母さんの恋愛中の話だった。」
そう話だした息子の話に私も、静かに耳を傾けた。
「会った事はないけど、俺は親父の事を誇りに思う。そして、母さんと親父のような運命的な恋をしたいなって、俺は思ってるよ。」
その後、Kiratoは声を詰まらせ涙声で言った。
「親父、俺をこの世に誕生させてくれて、ありがとう!」
息子のKiratoの言葉に、私は涙が溢れた。