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夏が来たら
第7章 夏が終わっても
「あ、絢子さん。秋生です」
懐かしい声。夏の記憶が一瞬にして蘇った。
「久しぶりだね。連絡できなくてごめん。色々立て込んでいたんだ」
「いいえ、大丈夫です。秋生さんの声が聞けてよかった」
「俺も」
秋生の笑顔が聞こえた。
絢子は、彼を少しでも疑った自分を呪いたい気分だった。
「今どこ?今日会えるかな」
「今代官山にいます」
「じゃあ、4時に代官山駅で会おう」
時計を見ると、15時半だった。
「はい!」
絢子の声は自然と浮き立っていた。