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第52章 四、躑躅（赤）　–　愛の喜び

触れるだけの口づけから啄む口づけに変わり、徐々に激しく変化する。
下唇を甘噛みし角度を変えながら、葉月の舌を絡め取ることはせず葉月に欲しがらせる。
それは宝賀に教えてもらった口づけの仕方。
どんなに欲してもギリギリまで焦らし相手に欲しがらせる。
欲しいものにやっと手が届いた時の快楽の深さを美弥は身をもって知っていた。
焦らされ続ける葉月は意味も分からず、もどかしい気持ちだけが溢れていく。
もっと欲しい。
もっと深く味わいたいと葉月の手が美弥の頭を固定し無理やりに舌を入れ込む。
今まで経験したことのない程の激しい口づけに夢中になっていく。
溢れる蜜が口元から流れ出て首スジを伝って流れ落ちても気がつきもしないほどに夢中だった。
卑猥な音を立てながら室内の熱気とお互いの体温が上昇する。
葉月の手が美弥の頭から離れ、やわらかい胸を下から持ち上げ軽くもめば、口づけをする合間から甘い吐息が漏れ聞こえ始める。
繋がったままの葉月のモノは次第に硬さを増し圧迫する。

「はぁ…美弥…分かる？俺がどんなに美弥を求めてるか、どんなに欲しがってるか」

唇が離れ、おでことおでこをくっつけて、葉月は優しく問いかける。
美弥は息が上がって返事もできずにいた。